「はじめまして、カルメーロといいます。さすらいの料理人です。」
シチリアはエトナにある小さな村、サンタルフィオの教会前で待ち合わせた人にそう挨拶されたとき、わたしはひるんで後ろに一歩引いてしまいました。
まるで彼の背後に構えているバロック様式の教会のファっサードそのものだったから。ちりちり頭、かっちりとした言葉の選択、それ全てがシチリアやわたしたちのピエモンテを飾るバロックを感じさせる。
その大きな目がぎょろりとこちらにむけられるとわたしも慌てふためきどこかに隠れたくなる。「これはこまったもんだ」思いました。
それに、ちりちり頭にのっかっている帽子は、わたしの大好きなアーティストVinicio Capossela(ヴィニーチョ・カポッセーラ)が好んでつけているもののようだと思ったのですが、実はこのとき、原始人も「この人はまるでVinicioだ!」とまるで同じことを感じていたのでした。
このヴィニーチョって誰だ?と思われるとおもいます。このブログのお気に入りHP欄にあるVinicio CaposselaのHPで彼のパフォーマンスをみていただいたら一番分かりが早いでしょう。
原始人よりでかい!一緒にエトナの伝統的なブドウ畑を視察している間カルメーロは時々消えてしまいます。どこにいったのかなあと探しているとそのうち、手に何かしらの野草を摘んで戻ってくる。
この畑ではこのハーブが見つかった、あっちの畑にはこれが自生していたと私たちにいろいろ説明をしてくれます。上の写真では野生のタイムでもこの種類の特徴を説明してくれているところです。
カルメーロのHPへリンク
日本でも東京、大阪、弘前で料理講習会や企画ディナーを行ったそうですから日本のイタリアンの料理人さんの間では知っている方も多いかもしれませんね。カルメーロ・キアラモンテ、シチリアを代表するシェフです。
この日、わたしたちはエトナの重要なワインの造り手の貴重な時間を奪い、溶岩石の積み上げたれた伝統的棚畑のブドウ畑を勉強するため、エトナ山のあちこちを転々と移動していたのですが、
時間の本当に限られているこのワインの造り手は、他にも畑をみたがって人がいるといってカルメーロとその友人ジョバンニ・ビエッティ(この方についてもブログ内リンクをご参照下さい)を紹介されました。
カルメーロはSkyTVの料理番組でコメンテイターや番組企画もするいわばスターシェフ、ジョバンニはローマのサンタ・チェチッリア音楽院のアート・ディレクターを努めていると聴かされもう一度ひるんでしまったものの、そのへんはちょっと浮世離れしているわたし、、、あまりそれら肩書きにピンとくることもなく、普通にワインのことなどお喋りをはじめてしまいました。
お昼時、テーブルを囲んでワインの試飲をはじめると途中で、カルメーロに向かって原始人が「あなた、Vinicio Caposselaに似ていると言われた事はないか」とおもむろに聞きます。
カルメーロは、「Vinicio?そいつぁ嬉しいなあ!僕は彼と仲良しなんだよ」
「ええぇ!?」とわたしたち。
カルーメロはシクリという街の近くモディカに生まれました。わたし達の知り合ったその日は復活祭を2日後に控えた金曜日。「明日、Vinicioも大好きな復活祭の伝統行事があるからシクリに一緒に行こう」と急に誘われました。でも、復活祭のその日にはビエッラに戻らなければなりません。(というか、本当はもっと早く戻りたいのに飛行機がなかったわけで、、、)
お誘いは嬉しいけど難しいとおもうと、いったんお誘いはペンディングに。
ところが、、、翌日、結局カルメーロやジョバンニたちと再会するこになってしまいました。
というわけで、この続きはまたこんど、、、
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Da Sordevolo |
Da 5 ago 2009 |