自分の行くレストランやホテルでバチバチ写真を撮るのはあまり好きではないのですが、今回は撮りたくなってしまいました。
最近では日本からも多くのツーリストが訪れるピエモンテ州ランゲそしてロエーロ地方ですが、ロエーロのカナーレということろ(グルメにはレストラン「エノテカ・ディ・ロエーロ」が有名)で1950年代からワイン作りを続けているワイナリー『マルヴィラ』のダモンテ兄弟、マッシモとロベルトがはじめた宿『Villa Tiboldi(ヴィッラ・ディボルディ)』です。
1600年代の建造物に手をいれ宿としました。部屋の造りはそれぞれ違いますが、どこかアットホームさの漂う造り。併設のレストランもランゲの人たち自身が食べに行くくらい本格派。勿論マルヴィラのワインを心行くまで堪能できます。
と、ここまでは一定レベルの宿なら当たり前かもしれません。『ここがピエモンテだな』と思ってしまうのは、そこであらゆるサービスを勤める人たちが絵になっていること。
ゆったりとデッキチェアーで日光浴をするドイツ人クライアントのとなりをブドウ畑の手入れを終えた老人、交換したシーツを抱えた女性、見習い料理人達が足早に過ぎていくのですが、クライアントの邪魔をするでもなく、隠れるように走りすぎるでもなく、とても自然な動きをしているのです。
一つにはここには安い賃金で使われる外国人労働者がいないからかもしれません。そして、なんといっても経営者であるダモンテ兄弟、特にこのヴィラを訪れる人たちのもてなし役ロベルトさんの屈託のない、陽気な性格が創り上げるヒューマンな運営姿勢のせいでしょうか。
この日、宿に到着すると、ロベルトさんは野外テラスの外国人10人くらいのテーブルで陽気にお喋りしながらワインボトルの栓をきっているところでした。
顔見知りの私たちには「やあ!」と手を挙げて挨拶。なにやら冗談を飛ばして外国人を笑わせています。「
相変わらずだな、それにしてもやっぱりこれだけの施設のオーナーとあって英語も喋れてインターナショナルなんだ」と感心。でも、実はロベルトさんの会話にはイタリア語どころかピエモンテーゼがあちらこちらで使われているのだそうです。 ええ!?
で海外からの客人は理解できるのか? そこはそれ、だれかが通訳をしたり、イタリア語を勉強しているお客さんが通訳をするんでしょうが、でもね、言葉が出来ても出来なくても、イタリア人でも外国人でも同じ態度、同じ姿勢でもてなすってとても大切だと思うのです。
こんな素敵な宿ですが、日本人はほとんど来ません。車がないから移動が出来ない、アルバの駅から離れているから。他に移動が面倒だから。 ロベルトさんは駅への送迎もしてくれるし、必要ならバローロのワイナリー見学だって手配してくれます。でも、ここを訪れる日本人は、現地に住んでいる人くらい。
こんな素敵な景色と施設があったらドイツ人、イギリス人などはなんにもしないで2,3日ここでくつろぎます。他を観て歩くなんて考えない。
若い世代の人にはまだまだ色んなものを見て楽しむことも必要でしょうが、私たちの年になったら時にはこんなところでゆっくりする事を覚えてもいいと思うのです。
VILLA TIBOLDI
CASE SPARSE CANOVA 144
CANALE-ITALIA
GPS:N44'47'41'' E07'58'26''
TEL 0173970388
villatiboldi@villatiboldi.it
www.villatiboldi.it
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Da Sordevolo |
Da 5 ago 2009 |