そんなチャンスはあまりないかもしれません。
でも、そんな機会に恵まれたら、
自分の住んでいるところが大好きなら
是非、怖がらずに「うん」といってみてください。
ある日、原始人と私が村のバールでエスプレッソを飲んでいると
村長がやってきました。
「今日、ヘリでソルデヴォロ村の上を飛ぶんだが、一緒に来るかい」
原始人は即答で「ノー」
がっかり気味の村長に「わたしはいくよ」と答え、午後4時に集合することにきまりました。
原始人?、、、おいてきぼりが嫌いな彼もしぶしぶついてくることになりました。
予定通り午後4時、村の入り口にある工場前の牧草地にヘリが到着。村長リッカルドは、そのヘリ会社で一番優秀なヘリの操縦士が来たからという言葉に、怖がる原始人も少し安心。
わたしは、厚かましく操縦士さんの隣に陣取り、リッカルドが後ろから行き先をマイクで支持し、いざ出発!
操縦士さんは、ゆっくりゆっくり水平に飛んでくれました。いつも見慣れた村の建物を、まったく別の角度から見るのは不思議な感覚です。自分と村の環境の関係が変わっていく気がします。
今回の目的の一つは、この冬の大雪で全壊したアルペッジョ(夏場の放牧地)の実態を把握すること。昨年、村の予算で改築が済んだばかりの山小屋がなだれで完全にさらわてしまった様子が良く分かります。元通りにするには15万ユーロが必要ですが、そんな金額、村にはもうありません。リッカルドには頭の痛い話です。
さて、標高1600mにある問題のアルペッジョを過ぎ、2381mのムクローネ山の山頂を越えると、こんなパノラマが広がっているのでした。初めてみる光景。ソルデヴォロ村はアオスタ渓谷州と境を接しています。こんなアルプスが広がっていたんですね。
おっと、ここでパイロットさんがわざと高度を下げます。ジェットコースターみたい!しかも旋回までしてくれておもわず
「たすけて!!」と私もパニックに。でもかれはニコニコ笑っているだけ。
ムクローネ山頂の十字架すれすれに飛行したり、わたしたちを適当に怖がらせて、そろそろ引き返す時間、帰りにはこんな村の牧草地の光景も、、、。
白い点になって見えるのは羊の群れです。
ソルデヴォロの村がいつまでもこの緑を守っていって欲しいと思いました。
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