日本でも、きらびやかなイルミネーションが街角を飾っていることでしょう。
ボーイフレンドや家族へのプレセントを用意している人たちも多いのではないでしょうか?
クリスマスまであとわずか、ビエッラの街もクリスマスのプレゼント探しや25日の食卓を飾るメニューの素材を求めるひとでごったがえしています。
でも、そこはやはり、カトリックの精神と伝統が深く息づいている国「イタリア」のクリスマス。日本で送るのとは違います。 まず今日は、そのクリスマスまで秒読みの今の時期、我が家のパピンとマミンの悩みの種となってしまうこの仕事を密着取材しました。
はい、アニョロッティ作り!!です。 日本でもよく知られている詰め物のされたパスタ『ラヴィオリ』はピエモンテでは「アニョロッティ」といいます。 アニョロッティは、その地域や家庭によってレシピが違いますが、数種類のお肉をローストして詰め物を作ります。
我が家の場合は、仔牛肉と豚肉、それにソーセージを少々、そしてキャベツのゆでたものを一緒にミンチにします。 他ではウサギ肉を混ぜるところもあれば、キャベツでなくほうれん草とか、ボラジネとかを入れたりもします。
マミンは一日中立ちっぱなしで二日間かかるこの仕事が今では大嫌いになってしまいました。精肉店のお上さんとして40年店に出ていたし、当時は毎週このアニョロッティを作っていた彼女ですが、外反母趾で一度手術したことのある足が年とともにどうしても痛みます。
それでもマミンがつくるアニョロッティをあてにしている人は大勢。
村のお医者さん、村の土建屋に出入りしている設計士の女性、ルナルドンのお母さん、ビエッラの町のガッリーナ家かかりつけのお医者さん。彼らはこの時期に彼女がアニョロッティを作って持ってくる知っています。
クリスマスディナーのプリモはそれと決めている人も中にはいますから期待を裏切るのは難しすぎる!!
それにやっぱり今年1年お世話になった人たちに感謝と来年への挨拶も兼ねているし、、、。
これまで私が顔をだすとまるで彼らの聖域といわんばかりに、おいしさの種明かしを嫌がるかのように現場をかくしてきたのに、今年はすんなりと現場に入れてくれました。
もちろんお手伝いもしながらパスタの皮の厚さとか、具の硬さとかしっかり頭と手に叩き込みましたよ。
作業をぜーんぶ終えると、マミンが私に一言:『これがあたしたちのアニョロッティの作り収めね。来年はあんたにやってもらうから。』
本当なら自分に任されるのだから嬉しい筈なのに、どこか悲しさが台所の湯気にこもっているような、そんなふうにマミンの声は曇って聞こえました。
3人で来年もわいわいアニョロッティを作れるよう、24日のミサには祈りたいと思います。
さて、次回はままたモスカさんとクリスマス前の伝統行事、牛の品評会に行ったお話でもしましょう。
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