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ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

BENVENUTI ALLA CRONACA DEL BôGIA NEN ! ピエモンテの山郷でのんびり生活しています

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キッチン海賊団

 ここは単にガストロノミアの厨房という雰囲気ではありません。

 早朝6時半には皆出勤してきて夜の8時半まで働きづめ。そんな精肉店モスカのお惣菜コーナーの厨房で1週間修行していたときのはなしです。
 
 初日、アルベルトに紹介されて厨房にはいり『何でも言ってください。使い走りでもなんでもしますから』といってもやっぱり遠慮されてお客さん扱いになっていたのですが、、、。
 そこは少しずつなれてきて、気軽に冗談もいえるくらいになると、もう止まりません。

 阪急百貨店で紹介されるお惣菜のレシピを再現してもらってメモを取るのが目的だったのに、いつの間にかそんなことは全員忘れていました(勿論、私も)。モスカで作るお惣菜の全てを伝授してくれます。

 モスカの厨房は大きく三つに分かれています。 お店から厨房に入って直ぐが下ごしらえやオーブンに入れるものを準備したりオードブルを作るスペース。つまり『切る』『搾る』『味を調える』ところ。べっぺとジョルジョが主に仕切っています。

 隣にガスコンロが6つと、揚げ物、グリルコーナーのある『炎』のスペース。ここはエルマンノの宮殿。そしてその奥にパスタをこねたり、ドルチェを作ったりする『コネもの』のスペース。そして大きな冷蔵室が2つ。

 それらの部屋から『おい、こらこっち来てみろ、今これ作ってるから』『こら、そっち終わったか?そしたらこっち来い』

 一日目は色々見せてくれて、細かくレシピや注意事項もメモさせてくれていたのですが、しかも翌日からは、みせてくれる他にアレ刻んでみろ、こっちらの殻を剥けに変わっていました。
 で、私の怪しい手許をみて大笑いされたり、ほめてくれたり、慰めてくれたり、、、。

 テッラが歌えば、べっべが茶々を入れる。オーブンの使い方の気に入らない誰かが怒鳴ると、相手はしょぼくれたり、なだめたり、ちょっと言い返したり、会話のテンポが速くて、時にアグレッシブでも大きな家族のようでした。

 ふと気が付いたのですが、モスカの厨房は海賊団みたいです。アニメのワンピースの世界みたい。

 ほっそりとして無口な、それでいて包丁を握らせたらたいへんな料理長リッカルド、 ポパイのようながっしりとした体格べっぺ、早朝6時から鼻歌交じりにお菓子を焼いているテッラ、いつも上の空で手先だけ器用に動かしているジョルジョ、煮込みの火加減を巧みに操るエルマンノ。

 彼らをワンピースのキャラクターに当てはめてもなんとなく収まってしまうのではないかと思います。

 モスカの使う素材は最高です。お肉は店頭で販売しているのと同じものですから驚きませんが、他の素材も本当にいいものを使っています。

 例えばハムとポルチー二茸を使ったヴィエンネッテというゼラチン寄せはハムも茸もポルチーニはエイナウディ社の高価なものを一般家庭でも難しいくらいふんだんに使うし、ピエモンテの代表的な郷土料理バーニャカウダのためのアンチョビは大きくてふっくらしたスペイン産を使っています。

 家も同じアンチョビーを使ってバーニャカウダを作りますが、美味しいとわかっていてもその価格のせいでいつも買おうかどうしようか悩むくらい。同じものをモスカは当たり前に使っています。

  美味しいはずです。 そして、こんな素敵な仲間に作られていたら、、、。


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