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ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

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ところでソルデヴォロの『キリストの受難劇』って?



  皆さん当然ご存知でしょうとソルデヴォロの『キリストの受難劇』を語りだすのは横柄というもの。

 まず、『キリストの受難劇』あるいは『聖劇』といわれているものはキスリストがエルサレムに入城してから十字架に架けられたのち復活を遂げるまでの苦難を描いた演劇で、復活祭の時期にはイタリア各地で住民によってこれを演じる伝統があります。

 たいていは、復活祭前の金曜日『聖金曜日』に行われますがソルデヴォロ村のものは6月から9月まで全体で30回以上というロングラン公演。

長丁場ですから大変。費用ももちろんかかります。ではなぜ、ここまで大掛かりになったのか、、、。

 まず、その起こりですが、ビエッラ地方観光局の
HPでせつめいしたように、脚本は、1490年ごろフィレンツェのジュリアーノダーティという人がローマにあるサンティ・マルティリ・イン・トラステヴェレ教会のために書き、ゴンファローネの信者会による劇団が毎年前述の聖金曜日にコロッセオで上演していたようです。

 ところが1539年ルターやカルバンらによる宗教改革運動が激しくなるとローマ教皇パオロ3世は民衆らによるこのような宗教劇を禁止しました。

 ゴンファローネの信者会は彼らが使っていた台本を絶やすに忍びず、ローマを訪れていたソルデヴォロの毛織物商アンブロゼッティにひそかにピエモンテに持ち帰り保管してくれるよう依頼します。こうしてこの台本がこの村の住民の手に渡った。そういう説があります。
 その台本をもとにソルデヴォロでこの聖劇が上演されるようになったのは1816年から、かれこれ200年の歴史があるわけです。
 
 30回のロングラン公演を毎年行うわけにはいきません。5年ごとがやっと。人口たった1300人のこの村で毎回200人のキャストとその舞台裏に携わる人たちを含めれば400名で動かすこのお芝居。文字通り村中総出の参加でなければ到底開催は無理。
 
 ドイツにも10年に一度こういいた大規模な聖劇をすることで有名な町がありますが、こちらの場合はすでにビックビジネスに成長し、監督などは専属のプロにまかせているようですね。

 ところがソルデヴォロ村ではこれまで監督も役者も、衣装係もみんなボランティア参加。お給料をもらえるのはミキサー1名と百人隊長らが乗る馬に駆けられる保険と維持経費くらい。
 
       だからみんな必死です。あの必死な様子をみてると、ただ単にお芝居をやっているのではなく、村中で何かをやり遂げる結集する満足感と、自分たちの演技に拍手を送られたときのいじらしいくらいの誇り、それがあまりにも素朴で、無垢で観ているものをほのぼのとさせてしまうのです。その根底にはやっぱり彼らの信仰心の厚さを感じます。

 私は、彼らと一緒に舞台裏にいてそれぞれのパーソナリティを発掘していくのに楽しみを覚えてしまいました。400人全員は語れません。でも数人をご紹介してその雰囲気を伝えられたらと思います。 
 
 次回はその一回目原始人の幼馴染でグイド。 ローマ兵隊長の役でした。

 
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公楽さんのイタリア紀行 

公楽さん
実に明快!2010年秋、ソルデヴォロ村に滞在された公楽さんご夫妻が紀行文を寄せてくださいました。読めばソルデヴォロ時間が流れるでしょう。

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