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ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

BENVENUTI ALLA CRONACA DEL BôGIA NEN ! ピエモンテの山郷でのんびり生活しています

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ソルデヴォロ村の大地獄!!



ソルデヴォロ村の夏休みを飾る1ページには誰もがこの澄み切った清流エルヴォを挙げたいでしょう。
私も年に、二、三回は泳ぎにいきます。いい年をして?

村の人たちには『My Lama(淵)』があります。エルボ川の所々に深い淵があってプライベートプールになります。早めに行かないとでも他のひとにとられてしまう。

エルヴォには私は行ったことのないインフェルノーネ(大地獄)という場所があって、岩をよじ登らないといけない、それはそれは深い、すごーい淵があると教えられました。

でもその場所は屈強な若い男子でないと、しかもロッククライミングの経験のあるものでないといけないと言われました。連れて行ってやることができなくて残念だと。

去年からそこに私でもいけるようになりました。ヴィアフェラータを作ったのです。ソルデヴォロ村と隣のムッツァーノ村が出資、約8万ユーロ(1千万)をかけ、専門の登山家グループがその設計計画と工事の実施を行いました。

ヴィアフェラータとは聞きなれない言葉かもしれませんが、イタリア語で鉄で作られた道という意味で、このような施設は世界中でこの言葉が使われています。きっとイタリアで生まれた言葉なのでしょう。

Inoxのステンレス金具を岸壁などに打ち込んで足場をつくり、専用の防具があれば移動が可能になるというもの。

プロのアシストがないと行けないと聞き、自分は無理かと思っていたのですが、友人のアレッサンドラがさらっと簡単に誘ってくれ、家族には内緒ででかけました。

ちょっと怖かったけど、エルヴォの本当にきれいな部分を、景観を損なわずに見せてくれるヴィアフェラータに感謝です。

しかも、体中のありとあらゆる筋肉を使うのでいい運動になります。所要時間はゆっくりで3時間。

今度はBBQセットをもって出かけたいなあ、、、。

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『ボンジョルノ(La Stampa紙)』から『スコットランドの小作人』

イタリアの主要紙『La Stampa』の一面に同紙副編集長のマッシモ・グランメッリーニのミニコーナー『Buongiorno』はイタリア版『天声人語』みたいなものでしょうか。そこで2002年10月4日彼は次のとおり書いています。

『-スコットランドの小作人-

 農作業をしていたところ、スコットランドの一人の小作人は近くの沼の方から助けを求める叫び声を聞いた。底なし沼でおぼれかけている子供を見つけると自分の命にまで危険は及んだが彼はその子を助けた。

 その子供の父親は貴族で、その事件がおこった同じ日の夜には小作人の家のドアをノックし、お礼に小作人の子供の学費の面倒をみようと約束した。

 こうしてその小作人の子供はイギリスでも最高の学校に通うことが出来、医学部を卒業。医学の道で名を高めることとなった。その人こそ、ペニシリンの発見者「アレクサンダー・フレミング」である。

 その後、小作人が救った貴族の子供は重い肺炎にかかったのだがペニシリンのあったおかげで回復した。ちなみにこの子の名は「ウィンストン・チャーチル」。ヒットラーの侵攻を阻んだイギリスの首相である。

 後に何が起こるかなど想像だにせずこのスコットランドの小作人の些細な人助けが人の歴史を二度も変えることになった。

 あらゆるニュースの集中砲火、把握もままならないさまざまな事件に翻弄される僕のような者には、ネット上から取り出したこの実話に首筋を柔らかくマッサージしてもらったような気がした。

  あらゆるものが自分たちの手では収集のつかなくなり、シニズムだけがこの混乱した世の中の唯一の解毒剤であるかのように、僕たちに浸透し凝り固まってしまったこの無力感と戦ってくれている。

  実は僕たち一人一人のとる行動は、他のどこかの何かにいつもつながっているのだ。それらははっきりとした役割を持ち、たとえその行動をとった人の意図とは別の結果になろうと、あるいは結果らしいものがなかったとしても、たとえその時点でシナリオ全体を知ることができなくてもだ。』

 朝刊の1面でこの記事を読んだとき私も原始人も何か不思議な安堵感を味わい、なんだか嬉しくなったのを覚えています。

 『Bongiorno』が一冊の本として2002年末に刊行されたのですが、そのプレゼンテーションにビエッラを訪れた作者、原始人の旧友でもあるマッシモに久々に会った際その話をすると

 「あの記事ね、、、あの後さ、読者の何人かがメールが送ってきてね『小作人のエピソードは他の史実や年代とかみ合わないからそれは嘘の話だ』ってね。」とマッシモ。

 「それは問題じゃないんじゃないかな。お前が言いたかったのは事実か否かじゃないもんな。」

 「そうだろ!君はわかったよなあ、あの記事にはGioiaがあるんだよな。」マッシモは目を輝かせて原始人にそう頷きます。

 あのエピソードを読むとそこには「Gioia(喜び)」が見えてくる。どんな小さな人の行為も最後にはこの地球を形作る一部なのだから自分たちはもっと自分の行動を注意深く見つめるべきだし、それは素晴らしい意味をもっているのだいうメッセージだ、、、ってことだよなあ!と中年男二人は肩を組んで喜んでいました。

  マッシモは確かにその記事を彼の本の巻末に加えるとこう書き足しています。

『幾人かの読者からこのエピソードには矛盾が多すぎて信憑性に欠け、作り話でしかないと指摘を受けました。いずれにしてもこのエピソードが伝えるメッセージは絶対の真実です。』

  あれから7年ちかくが経ちますが、私の田舎暮らしにも情報や『もの』がますます溢れて私では収集がつかなくなるときがあります。するとこのマッシモと原始人のコメントを思い出します。結局、何をどう理解するかは自分たちの頭ひとつ。

  とうとう2010年に突入してしまいました。さあ、私も錆びついた頭に油をさしてぇ。ねじをよーく締めなおさないと。

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ピエモンテのクリスマス ぶじゃねん流 -その3-


日本にいた頃、クリスチャンでない私には他の大多数と同様クリスマスは単純に大切な人にプレゼントをして、何か美味しいものを頂いてというエキゾチックなイベントとしか映っていませんでした。

 10年前、イタリアに移住した一年目のクリスマス。原始人が「商業主義に凝り固まったクリスマスをお前には見せたくない」と強引にあるところに連れて行かれました。

 チステルチェンセ系修道院「プラ・ドゥ・ミル(Pra d'Mil)」です。ピエモンテもフランス国境に近いアルプスの麓の村から車でさらに20分、ほとんど陽のあたらない荒涼とした自然の深い谷あいにぽつんと存在しているこの修道院では修道院長のパードレ・チェーザレ以下わずか5人の修道士が生活しています。

 私はクリスチャンではないことを知っていてもイタリアの教会の関係者はどこでも私を笑顔で彼らのコミュニティーに取り込んでくれます。それは10年前、言葉にもそれほど自信がなく周囲から取り残された気持ちに陥りかねない不安を取り除いてくれた人たちでもありました。だから私は今でも教会に行くのが好きです。

 正直、福井の永平寺で生まれ育った私からあのお寺の空気や体にしみこんだ仏教文化を拭い去ることは難しいです。でも、同時にこの小さな修道院で過ごすクリスマスに他で得ることのできない心の穏やかさを得ていて、10年間毎年ここに通ってきました。

 このビデオはイタリアのSAT2000が2008年制作放映し今でもネットで公開しています。イタリア語なのでインタビュー内容をすべての方に聞き取っていただくことは難しいかもしれません。
 
 が、それがたった5分でも彼らの穏やかで澄んだなまなざしや質素でも強い精神をもって彼らの神に仕える姿を知っていただけたら、イタリアではクリスマスをこんな人たちと過ごす者もいるのだと知っていただけたら嬉しいです。

 日本にいたときの私にはただ祝うだけのクリスマスが、今ではイタリアでキリストの誕生を確かめ合いその意味をともに考える人たちの間で過ごす時間に変わりました。

 信者でない者にはキリストの誕生、あるいは復活の奇跡に確信がもてないと仰られる人もいるかもしれません。
 実は肉体的、物理的にその事実を肯定することも大切ですし、多くの文献その他がその事実を証明していますが、でも実は私から見ればもっと大切なのはその奇跡が語っている事柄、そしてそれを繰り返し信じてきた人が20世紀を経て今も存在しているということなのではないかと思います。

 『聖書の言葉を頼りとし祈りとして何千回、何万回とその言葉を繰り返し口にしてきた、2000年も繰り返してきた事実がまさに真実を自分たちにもたらすのではないか。』何年か前にあるイタリア人が私にそういったのを思い出し、自分がそうして祈りをともにしている人たちとクリスマス・イブのその夜を共にさせてもらえた事はやはり神様に感謝したい 、、、と。

 そんなことを考えながら今年10回目の『Pra d'Mil』修道院でのクリスマスのミサを終え再びソルデボロ村に戻ってきました。

 マンマの作るアニョロッティ、モスカさんのクリスマス用虚勢牛の品評会そして今日の修道院のミサと三回で私のクリスマスの過ごし方をご紹介しました。

 どれも華やかさとはかけ離れた世界ですが、軽薄さやコマーシャリズムを寄せ付けない私たちのそのままの生活の1ページを切り取りました。どれか一つでもお気に召して頂けたら光栄です。
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ブルーノ・ラウツィの『Autunno(秋)』

   AUTUNNO   秋

PERFETTE GIORNATE LE MIE   
文句なしの日々だよ、僕のはね 
                                              
MA IL CORPO, ALLARMATO     
だが、肉体は警報を鳴らし

SEGNALA LE PRIME AVARIE     
最初の故障を告げている


PERCHE' DUNQUE VITA LUSINGA   
なら、どうして儚い人生に

A NON DISARMARE LE VOGLIE     
欲求は尽きることを知らないのだ

SE QUESTO MANIFICO AUTUNNO    
この素晴らしき秋は

E' TUTTO UN CADERE DI FOGLIE?  
全てが葉を散らすだけというのに?

この「秋」という詩は、ピエモンテの真下、リグーリア州ジェノバのシンガーソングライター兼詩人で惜しくも2006年にこの世を去ったブルーノ・ラウツィの短い詩です。

 私だっても四十の曲がり角を過ぎ、まだまだ若僧のつもりでいても二十代の頃とは比べようもなく体力が減り、私よりもっと年を重ねている義理の両親の健康を見守る毎日を送っていると、

 この詩の言葉のひとつ一つを噛みしめ、秋の紅葉をこれまでとは違った気持ちで眺めたりもします。 

 この詩はでも、老いの絶望なんかを詠っているのではありません。むしろ肉体的に何の憂いもなかった時期には決して得られる事のなかった精神的な活力を喜んでいる、人生のお祭りの歌です。

 そう、秋祭りみたいなものかなあ、、、。 葉が枯れ落ちても、寒い冬に向かっていても頭は冴え人生を堪能できる年になった。そういう時期を迎えていると『信じたい』です。
Bruno Lauzi

 ブルーノ・ラウツィは、まだうちの村の現村長が慈善団体の会長をやっていた頃、この村に3回ほど招かれましたが、いずれの野外コンサートも大雨で中止。まったくの雨男でした。

しかも3回目にはコンサートに使う大切な椅子を村に忘れてしまい、現村長がリグーリアまで届けるハメに。

 彼の自宅に行ってみるとブルーノ・ラウツィは自分の船で釣りに出ていて浜辺まで椅子を届けたそうです。そして一緒に村長は一緒に船にのって釣りに付き合いながらいろんな話をしたそうです。

 彼の曲はどれもとってもやさしい。小さくて、決してハンサムな歌い手ではなかったけど、多くのイタリア人、イタリアの同じシンガー達から今も愛され、彼の歌は若手の歌手達が歌い続けています。
 

まだ水の話をしていませんでしたね

まだ、ソルデヴォロ村の水の話をしていませんでした。


わたし達の住むソルデヴォロ村からお隣のグラッリャ村にかけては、これまでイタリアでどんな旱魃が起こってもこれまで水のかれる事はありませんでした。

逆に水害に見舞われることはありましたが、1960年代の大洪水のようにビエッラの繊維工場がほとんど流されるほど大きな水害は、丘陵地帯であるためわずかです。

この水ですが、ヨーロッパで一番鉱度の低い水といわれています。

お隣グラッリャ村にはラウレターナという高級ミネラル水が製造販売されていますが、そんな低い鉱度のミネラルウォーターはない、と他国のミネラル水の会社からラベル表示訂正の訴訟を起こされたことがあったと聞いています。

実際にはラベルに表示されている数値よりさらに低かったそうで、今ではラベルに「ヨーロッパで一番軽い水!」と胸を張って記載しています。

昔は鉱度の低さから腎臓にいいとされ、サヴォイア家の人たちが飲料療法を目的にビエッラに長く滞在していたほどでした。

この地域の緑がイタリアの他の地域、例えばお隣のアオスタ渓谷州の緑と比べても柔らかく、優しい色なのは水のせいだろうと思います。ビエッラの自然は決して険しくはない。わたし達の周りを優しくつつむそんな緑です。

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わたしは、、、

Muccan.JPG
ぶじゃねんのお仕事HP

公楽さんのイタリア紀行 

公楽さん
実に明快!2010年秋、ソルデヴォロ村に滞在された公楽さんご夫妻が紀行文を寄せてくださいました。読めばソルデヴォロ時間が流れるでしょう。

ここです、、、

Video:オルガのバター作り

Video:8月の山に行く

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