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ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

BENVENUTI ALLA CRONACA DEL BôGIA NEN ! ピエモンテの山郷でのんびり生活しています

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お気にイタリア

今度、HPを新しくすることにしました。で、HPのためのフォトギャラリーを作っていたのですが、出来上がってみるとそれがなかなか可愛い写真ばかりなのでご紹介しましょう!!


当然ピエモンテを中心に北イタリアで取ったもので、ソルデヴォロ村のリーザおばさんのカシーナ(農家)、

ロンバルディアで「イタリアワイン12人の父」の一人に挙げられるリーノ・マーガさん、

バローロの風景に標高1600mにある放牧小屋(アルペッジョ)ピエモンテのリコッタチーズ「セイラス・デル・フェン」を作るキットの豚さんに牧羊犬、

ビエッラの老舗精肉店モスカさんとその去勢牛肥育家が見せてくれた白トリフ、
そしてリグーリアの漁師さんたち、

そうそう、私も今年は牛を放牧小屋まであげましたっけ。

写真に納まった自分の生活範囲をみるととてもバラエティーがあるのですが、色がどれも優しいのに驚きます。緑が優しいからなのでしょうが、イタリアに住み始めてからのこの9年間、この優しいいろにつつまれて東京での暮らしでとがっていた自分の心が凄く穏やかになったと思います。

イタリアで私のように暮らしている日本人はみんな多かれ少なかれ同じ経験をしているのかな。興味のあるところです。

とにかくこれまで私に堪えてくれた周りのイタリアの皆さん、遠くから応援してくれた日本の皆さんに感謝しながら写真を眺めています。

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ナポリ生まれの天才ギタリスト『エドアルド・カテマリオ』

2008/09年冬、ピエモンテは豪雪にみまわれ、ここソルデヴォロ村の山々にある放牧小屋はどこも4メートルの深さの雪に覆われました。

ソルデヴォロの村が毎年クラシックコンサートを開く標高1600mにある放牧小屋は残念ながら冬の間に雪崩に遭い、跡形もなく崩壊。今年は皆が楽しみにしていたコンサートが見送られてしまいました。


フォトをクリックすると演奏をお楽しみいただけます。

紆余曲折があったのですが、この放牧小屋修復のためのチャリティーコンサートをしようとナポリ出身で世界でもトップクラスのギターリスト「
エドアルド・カテマリオ」さんの演奏会が開かれました。

会場はソルデヴォロ村の教区教会。普段はバッハの作品などを中心に演奏していらっしゃいますが、村の人にも親しみのあるものをということでスペイン音楽で組んでくださったコンサートに教会に集まった人たちみんなが魅了されました。

その中には、やっとご主人に手を引かれて歩けるといった感じの年老いた婦人もいれば、バイクのマフラーを切断し、いつも轟音とどろかせて村を走り回っている若者までほんとに様々の人たちで埋め尽くされましたが、彼がギターを弾き始めると会場は静まり返ります。

最後のアンコールでは原始人のたっての頼みを聞き入れてくださり、ナポリの民謡を一曲。ナポリ出身で長年ソルデヴォロに住んでいる老人が最近、婦人を亡くされたばかりで元気がないのを原始人は慰めたかったからでした。

カテマリオさんもナポリ出身、強いナポリ独特のアクセントで、「ソルデヴォロにもナポリ出身の方がいると聞き、ナポリの思い出に浸ってもらいたくてこの曲を弾きます」と紹介して、演奏が始まりました。

どんな気持ちでその曲を聴いていたのかわかりませんが、演奏がおわるとそのナポリ生まれの老人はカテマリオさんに礼をいおうと立ち上がりますが、娘さんがシャツの裾を引っ張り留めます。

それを後ろから見ていた原始人が背中から促し、舞台に案内し二人のナポリ人は互いに抱きしめあって挨拶を交わしました。会場からは温かい拍手が。 

センチメンタルすぎますか?これがイタリアのいいところではないでしょうか?
また、世界のトップギタリストでありながら素朴な山村の人たちの前で、自分の実力に大きな自信を持ちながらも決して謙虚さや抱擁を忘れないカテマリオさんの真のアーティストとしてのあり方にも感銘を受けた夜でした。
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北イタリアの夏の終わり(海幸偏)

8月最終週となり2009年の夏も終わりを告げようとしています。
というわけで、今年最後の漁の話。

今年、原始人は3回は行くぞ!と豪語していたのですが、ほんとうに実行してしまうところが怖い!

最初の1回目はまずまずの捕獲量。2回目は出生できず。 さて今回は、、、

今回もプロの料理人である息子君が一緒だろうと期待していた彼らはわたしと原始人だけなのを見て少々がっかり。でもまあ、出向しました。 30分もしないうちにイルカを観測。良い兆し!

ところが漁が始まってみると大変な事が!
、、、と、いってもわたし達には最初何が起こったかわかりませんでした。

不味い、とカンちゃん。 網の引き方が尋常でないといいます。わたしには同じに見えるのに、、、
彼の予言どおり網がどんどんぐるぐるぐると捻じれて引き上げられていきます。しかもお重い!

水平線に向かって流れていくはずの網が、夜の闇の中で携帯用ライトで照らすと捻りをまして垂直に深海に沈んでいくのが見えます。 なんとも不気味な様子。

カンちゃんたちはゆっくり慌てず30分かけて網を引き上げていきます。言葉には出さなくても何がかかっているのか彼らにはわかっていました。

引き上げ始めてから30分後、「ほらほら!!あいつだ!!」と皆が騒ぎだします。

わたしが船のヘリに出てみたときには、そいつの悠々としたひし形の姿はゆっくりと深い海に離されてかえっていくところでした。それは幅3m弱のマンタでした。その悠々とした姿に魔法にかけられたように見入りシャッターを切る間もない。

カンちゃんが、「あいつは海で一番力のある生き物だよ。、、、ところでこの網、、、元どおりにするのに2時間はかかるな」捻じれに捻じれた網が30メートル分、山のように積み上げられているのをみてため息をついていました。

この日の収獲は数は少ないものの大型のメカジキが3匹、30kg以上のマグロが2匹。出漁の経費もカーバーし、まずまずの成績。 

岸に戻ると、網を一目見て何が起こったかをたちまちに理解した他の船の漁師さん達がわいわいと集まってきました。網のねじれをとる手伝いをするためです。

原始人が「いいね、みんなこんな風に助け合って仕事できるなんて」とカンちゃんにいうと
「ふん、みんながみんなって訳じゃないさ」と小さくいいました。

とにかく2時間かかるといっていた作業はあっという間に30分で終了。
どの仕事が良くてどの仕事が悪い仕事なんて誰にも決められないのですが、漁師という海相手のこの厳しい仕事には、片寄せあって助け合ういい仲間がいていいなと思いました。


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旅のかたち

 ピエモンテの方言で「Bôgia Nen(「ぶじゃねん」又は「ぼじゃねん」)」とは「動かない」の意、転じて自分の住んでいる環境で満足して動きたがらない人をさします。

 もう一つ「Bastian Cuntrari(バスティアン・クントゥラーリ)」は皆に流されず、それどころか過半数の逆の選択を好むへそ曲がりをさします。どちらもピエモンテの人に多くみられる性格です。

 私は、この二つの性格のおかげでワインにしてもチーズにしてもこつこつと労を惜しまず『もの作り』をするピエモンテの素朴な伝統は生きのびてきたと思います。

 たとえば、ピエモンテを代表するブドウ品種はネッビオーロ、バルベーラなどなど、ネッビオーロでも私たちの地域にはスパンナとよばれるタンニン分の特に多い品種が栽培されています。もう何十年も百年近く、いやもっとそれ以上かも。

 景観にしてもそうです。居住地域の景観は改築をしたい人には頭痛の種になるほど厳しい規則で守られています。だからぱっと見で調和がとれて美しい。

 私がいつも大切に思っていブログ上のビデオで紹介しているオルガのバター作りにしたってそうです。自分の祖父、曽祖父の代から使われている道具を使ってこつこつわずかばかりのバターを作っている。EUの衛生規定にも合わない環境で作られているから人に売ることもできないけどそれでも作る。

 EUの規則に則したタイル張りの床にプラスチック容器、ステンレスの釜で、洗浄には合成洗剤を使用して作るバターも、チーズからも、彼女らの作るもののような素朴な押し付けがない心にしみる味わいはしません。

 EUの規則に従って作られた作業場の洗剤の匂いを、たとえば尊敬するシチリアのエノロゴ「サルヴォ・フォーティ氏」は「Finta Pulizia」偽の清掃の匂いと呼んでいますが全くそのとおりです。 
 たとえばオルガはバター作りに洗剤を使いません。銅鍋いっぱいのお湯を薪で沸し、それを上手に使って器具の消毒と洗浄をします。バターは脂肪です。でも、変な脂肪でなく自然のお乳の脂肪はそれで洗い落ちるのですよ。

 あるとき、チーズ生産コンサルタントなる人に自分がよく地域チーズ生産農家に行くというと、「Sono sporchi questi caseifici!!(そういうチーズ加工場は汚いだろ!)」と乱暴に切り返されました。仕事中でしたから笑って済ませましたが、内心「ぶっ殺してやる!」と叫んでいました。 

 オルガの作るバターは、法律の面からも賞味期間の短さからも日本では味わうことができません。私は日本からわざわざ彼女のバターを分けてくださいとソルデヴォロに来られる方も複数います。私はそれでいいのだと思います。なにも全ての美味しいもの、「本物」が日本で手に入る必要はないと思います。
 
 だってそれでは日本もイタリアも同じになってしまうから、東京で美味しい喜多方ラーメンが食べられても地元で食べると違うのと同じ、各地の特産物の本当に美味しい味は大切にしたらいいと思います。日本には優秀なイタリアンのシェフがあふれていますが、彼らもイタリア修行時代に味わった多くの忘れられない味、日本では手に入らない味があるでしょう。それでいいのだと思います。

 「どこも同じになって、何でも手に入ってしまったら旅をする意味がなくなってしまう。」ビエッラの郷土文化研究かターヴォ・ブラットの言葉です。 前述のサルヴォ・フォーティ氏がエトナ原産の品種を大切に栽培し地域性の高いワイン造りをかたくななまでに守っている。尊敬する故テオバルド・カッペッラーノさんが唱えていたことも同じです。これらの人たちの言葉に接してみて伝統を守り地域性を維持する大切さが私の理念の一つになりました。

でも、それを決して他人に押し付けはしたくない。でも、自分はこの理念を一時的な都合や同調のために崩すのは嫌ですし、チャンスがあればその魅力を他の人にも知ってもらいたいと思っています。

私の住む地域で自分が見てこれは本物だと納得できるもの、ほかとは違うものを日本の方に知ってもらいと思うし、仕事上のことでいうなら見に来てもらいたいと思う。それらをグローバルな価値観で他と比較しないでありのままを楽しめる人、そんな人は日本にはいないのでしょうか?

私たちの村にはイタリア国内はおろかイギリス、ドイツ、果てはオーストラリアなどから多くのツーリストが長期滞在でやって来てどこにも行かずに村の人との交流や山歩きを楽しんむぶじゃねんになっていかれます。日本にもそろそろこんな形の旅を楽しめる人が増えてきてもいいのではないか。

 思って振り返ってみると90年代初頭竹下内閣の行った「ふるさと創生一億円」は日本の景観を大きく損なっただけに過ぎないようにおもいます。私の故郷では田んぼのど真ん中に数キロの距離からも目に付く恐竜の卵が建っています。それに誰も何も思わないんでしょうか?私は「ぶじゃんねん」であるまえにバスティアン・クントゥラーリですからその光景に違和感を感じてしょうがありません。

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リグーリアのマグロ漁船で過ごす休日

この夏は3回マグロを獲りに行くぞ!
仕事が忙しくてバカンスを長くはとれない原始人はせめてそうしたいと考えました。

7月のはじめに一回、そして今回が二度目。
そして、今回初めてわたしたち友人「息子」くんが参加することに。


でも、合間をぬってアプリカーレ村を訪れていた頃から風が出始めます。
残念ながら海は快晴なものの風が強すぎて出向ならず。何度も通っている私たちにはともかく息子くんにはがっかりなニュース。

でも、、、それでも私たちにはやることがいっぱいあったのです。
例えば、今回原始人は普段魚しか食べていない彼らに美味しいお肉を食べさせたいとビエッラの老舗「モスカ精肉店」からTボーンステーキを買ってきていました。ちゃんとステーキ用の鉄板も持参でね。

ところが、、、いつも気前のカルロはどこからかトロ箱を二つ抱えて帰ってきます。

なんとビエッラで買うとキロ98ユーロはするサンレモの赤えびが数キロ、ムール貝、ひこいわしが数キロに小さなイカも。どれも今陸揚げされたばかりの新鮮なもの。

「これどうするの」
「たべるんだよ」とカルロ。 「へっ?いつ?」と、わたし。「今晩だよ」
「だって、お肉があるよ。」、、、カルロは「これも食べるんだよ」

一瞬、わたしは目の前が真っ暗に、、、、一体だれが掃除するの?って、わたしと、、、お客人であるはずの息子君なのです

息子君はプロの調理人です。しかも、フランス中の有名レストランを食べ歩いた原始人も唸るほどの、、、。でも、せっかく休みをとったのだからリラックスして欲しかった、、、、

息子君は、それでも文句言わずにニコニコと作業に励み、私もごっしごっしムール貝、イカなどお掃除しました。でも、午前中から働き、夕方にはうんざり、、、

とにかく、夕方三々五々集まってきた漁師さんたちの家族とアペリティフが始まり、、、、楽しいお喋りが続きます。生魚は食べないと言い張っていたカロージェの奥さんも息子君のつくったイカのお造りイタリアン風に「生牡蠣より美味しい」と吃驚!

漁の現場を息子君に見せて揚げれなかったのは残念ですが、彼らのおおらかでかつ実直な人柄やかれらと過ごす時間の流れがほかとは違うことを感じてもらえたかなと思っています。

次回は息子君も是非船出ができますように!
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わたしは、、、

Muccan.JPG
ぶじゃねんのお仕事HP

公楽さんのイタリア紀行 

公楽さん
実に明快!2010年秋、ソルデヴォロ村に滞在された公楽さんご夫妻が紀行文を寄せてくださいました。読めばソルデヴォロ時間が流れるでしょう。

ここです、、、

Video:オルガのバター作り

Video:8月の山に行く

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