忍者ブログ

ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

BENVENUTI ALLA CRONACA DEL BôGIA NEN ! ピエモンテの山郷でのんびり生活しています

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

家畜の大移動ビデオ

6月はじめにTRANSUMANZAといって家畜を山の上の放牧場に移動させる作業に今年は私と原始人も参加させてもらいました

Da Transumanza
注意:お手数ですが画面右上の「高画質を表示」をクリックしてください。でないと画面がぼろぼろとなります。

朝6時に家の前で牛と牛追いの人たちの一行と合流、この日は爽やかで気温もピリッとした清涼感があり、牛達には山登りしやすい日となりました。

おかげで9時過ぎには標高1400メートル以上あるムアンダ放牧小屋に無事到着。それぞれの牛を所定の小屋にいれると休む間もなく乳搾りが始まります。

この日は搾乳機が準備できずに手絞りでした。
アルプスの少女ハイジの世界。それを地で行っている人はどんどん少なくなっていますが、ここではまだまだ健在です。

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村
PR

旅のかたち

 ピエモンテの方言で「Bôgia Nen(「ぶじゃねん」又は「ぼじゃねん」)」とは「動かない」の意、転じて自分の住んでいる環境で満足して動きたがらない人をさします。

 もう一つ「Bastian Cuntrari(バスティアン・クントゥラーリ)」は皆に流されず、それどころか過半数の逆の選択を好むへそ曲がりをさします。どちらもピエモンテの人に多くみられる性格です。

 私は、この二つの性格のおかげでワインにしてもチーズにしてもこつこつと労を惜しまず『もの作り』をするピエモンテの素朴な伝統は生きのびてきたと思います。

 たとえば、ピエモンテを代表するブドウ品種はネッビオーロ、バルベーラなどなど、ネッビオーロでも私たちの地域にはスパンナとよばれるタンニン分の特に多い品種が栽培されています。もう何十年も百年近く、いやもっとそれ以上かも。

 景観にしてもそうです。居住地域の景観は改築をしたい人には頭痛の種になるほど厳しい規則で守られています。だからぱっと見で調和がとれて美しい。

 私がいつも大切に思っていブログ上のビデオで紹介しているオルガのバター作りにしたってそうです。自分の祖父、曽祖父の代から使われている道具を使ってこつこつわずかばかりのバターを作っている。EUの衛生規定にも合わない環境で作られているから人に売ることもできないけどそれでも作る。

 EUの規則に則したタイル張りの床にプラスチック容器、ステンレスの釜で、洗浄には合成洗剤を使用して作るバターも、チーズからも、彼女らの作るもののような素朴な押し付けがない心にしみる味わいはしません。

 EUの規則に従って作られた作業場の洗剤の匂いを、たとえば尊敬するシチリアのエノロゴ「サルヴォ・フォーティ氏」は「Finta Pulizia」偽の清掃の匂いと呼んでいますが全くそのとおりです。 
 たとえばオルガはバター作りに洗剤を使いません。銅鍋いっぱいのお湯を薪で沸し、それを上手に使って器具の消毒と洗浄をします。バターは脂肪です。でも、変な脂肪でなく自然のお乳の脂肪はそれで洗い落ちるのですよ。

 あるとき、チーズ生産コンサルタントなる人に自分がよく地域チーズ生産農家に行くというと、「Sono sporchi questi caseifici!!(そういうチーズ加工場は汚いだろ!)」と乱暴に切り返されました。仕事中でしたから笑って済ませましたが、内心「ぶっ殺してやる!」と叫んでいました。 

 オルガの作るバターは、法律の面からも賞味期間の短さからも日本では味わうことができません。私は日本からわざわざ彼女のバターを分けてくださいとソルデヴォロに来られる方も複数います。私はそれでいいのだと思います。なにも全ての美味しいもの、「本物」が日本で手に入る必要はないと思います。
 
 だってそれでは日本もイタリアも同じになってしまうから、東京で美味しい喜多方ラーメンが食べられても地元で食べると違うのと同じ、各地の特産物の本当に美味しい味は大切にしたらいいと思います。日本には優秀なイタリアンのシェフがあふれていますが、彼らもイタリア修行時代に味わった多くの忘れられない味、日本では手に入らない味があるでしょう。それでいいのだと思います。

 「どこも同じになって、何でも手に入ってしまったら旅をする意味がなくなってしまう。」ビエッラの郷土文化研究かターヴォ・ブラットの言葉です。 前述のサルヴォ・フォーティ氏がエトナ原産の品種を大切に栽培し地域性の高いワイン造りをかたくななまでに守っている。尊敬する故テオバルド・カッペッラーノさんが唱えていたことも同じです。これらの人たちの言葉に接してみて伝統を守り地域性を維持する大切さが私の理念の一つになりました。

でも、それを決して他人に押し付けはしたくない。でも、自分はこの理念を一時的な都合や同調のために崩すのは嫌ですし、チャンスがあればその魅力を他の人にも知ってもらいたいと思っています。

私の住む地域で自分が見てこれは本物だと納得できるもの、ほかとは違うものを日本の方に知ってもらいと思うし、仕事上のことでいうなら見に来てもらいたいと思う。それらをグローバルな価値観で他と比較しないでありのままを楽しめる人、そんな人は日本にはいないのでしょうか?

私たちの村にはイタリア国内はおろかイギリス、ドイツ、果てはオーストラリアなどから多くのツーリストが長期滞在でやって来てどこにも行かずに村の人との交流や山歩きを楽しんむぶじゃねんになっていかれます。日本にもそろそろこんな形の旅を楽しめる人が増えてきてもいいのではないか。

 思って振り返ってみると90年代初頭竹下内閣の行った「ふるさと創生一億円」は日本の景観を大きく損なっただけに過ぎないようにおもいます。私の故郷では田んぼのど真ん中に数キロの距離からも目に付く恐竜の卵が建っています。それに誰も何も思わないんでしょうか?私は「ぶじゃんねん」であるまえにバスティアン・クントゥラーリですからその光景に違和感を感じてしょうがありません。

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村  

犬2匹がつくるタイチー

夏の暑さは犬たちには大変。なんたって毛皮をきているのですから。
犬に限らず動物たちには夏の太陽の照り返しは辛いでしょう。
       
      r />

わずかな木陰を見つけて地面を少し掘って、土の冷たさをお腹の下に感じ、木陰でわずかの涼しさを得る。これがせめてもの暑さ凌ぎ方。

今朝、窓から外を見るとあれれ、バルトゥス(シェパード)とテオ(セグージョ)がこんな形で涼んでいました。

暑いなら離れていたほうがいいと思うのに、どこかで肌がふれていると落ち着くのでしょう。
ほほえましい夏のワンショットでした。
 


 にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村

ユベンティーニVsトリニスタがもたらしたグルメハイキング

原始人とマッシモは高校時代からの親友です。学科は違っても大学も同じ、同じアパートに住みきっとむさくるしい学生生活を送っていたのでしょう。

色んな事で気の会う二人を分け隔てるものがあるとすれがそれはサッカー、原始人はJuventusファン、マッシモは Torino。ユベもトリノもトリノが本拠地のチームですからライバル意識もことのほか強く、いつもサッカーの話題ではしんなりと軽口で応酬しあう二人です。

で、毎年ダービー選二回の合計点に賭け、負けたほうが二家族分の夕飯代を出すという決まりですが、可愛そうなマッシモ去年も今年も夕飯代は彼もち。

原始人も申し訳ないとは思いつつ、約束は守ってこそのもの。で、いつもちょっとしたレストランに行っていたのですが今年は趣向を変えました。

ハイキングがてら友人キットの住むピエモンテ州でも西部のVal Pellice(ペッリチェ渓谷)に行って彼の作るセイラスを買ってくる。そして、渓谷の対岸にある非難小屋Rifugio Barbaraでお昼を食べようというもの。

実際、キットが夏場暮らすアルペッジョは傾斜が急とはいえ30分程度で登れる軽いもの。軽装のマッシモ、アレ、ニコロの一家もすいすいと登ります。途中の景色は私たちの住むビエッラの景色とは似ているようで違う。優しさが違う。

今年はなんと5メートルの積雪があり、家畜も6月下旬まで山小屋に異動できないでいました。
キットは冬場は乳の質が落ちるといってチーズを作りません。夏場のこの時期だけ生産するので痛手です。

山小屋に着くと、キットのガールフレンドのモニカが待っていてくれました。彼女は平日は山の下で別の仕事をしていますが、土日や夏休みはここに来てキットを手伝い、チーズ作りをします。

「そう、土日はここで休養してんの」、、、当然彼女なりの皮肉を飛ばしながら手にはここで作られたセイラス(リコッタチーズ)、トーマ、そしてキット特性のサラミをのせたお皿が。

はじめは遠慮していたマッシモの一家ですが、セイラスを口にしたとたんもう手が止まらない。ニコロ君も「こんな美味しいチーズは食べたことがない!」と大喜び。

と、途中でキットがバイクで戻ってきました。普段はありえないことです。

これまでは夕方まで待たされることもありました。牛を適当な場所に放牧し、夕方牛をまた下ろして搾乳する。遊んでなんかいられないのはこちらも承知していますから、たいていはこちらも寝袋を背負っていくのですが、今日はお客さんが一緒だから気を利かせてくれたのでした。

それでもキットと一緒にいたのは30分程度、別れを告げ山を下りると反対の斜面にある非難小屋でお昼をしました。

1700m以上あるRifugio Barbaraですが、車でいけます。くねくねした細い道を対向車にはらはらしながら上ると、広々した美しい光景が!お昼もポレンタ、肉の煮込み、サルシッチャ&キットのセイラスチーズ。それにワインとドルチェがついて15ユーロ。

この日はお天気も良く、200名程度が食事をしていましたが、ポレンタも煮込みも美味しかった!!キットのお友だちということで一人分おまけしてくれ、マッシモにかかる経済的負担も少なかったし。いうことなし!

でもちょっとした落ちがあります。大盛りになった肉の煮込みが運ばれ原始人
-Che carne e'? (何のお肉?)- 給仕のお姉さん -E' di TORO(雄牛です)-
まるでTorinoファンのマッシモへの、賭けに負けたマッシモへのあてつけのよう。

ぶっちょずらのマッシモを前に、残り4人、テーブルをたたいて爆笑でした。
マッシモですか? 可愛そうにお肉には手をつけず、サルシッチャだけをひたすら食べていました。


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村

ピエモンテの山村で週末-ギジウス篇

その名も「ギジウス」。ソルデヴォロ村の夏のイベントを一手に切り盛りするその男を私たちはそうよびます。

ジャンルと使える予算から出演するアーティストを選び、契約、広告、チケット販売から当日の全ての手配、終了後の清掃。加えて会場の隣の娯楽エリア「Village]でのバール管理、ディスコなど彼の管理下にあります。

彼の運営に厳しい目を光らせているのは当然村長のリッキー、イベントに訪れる若者らが村民に迷惑をかけずに車を駐車しえているか、施設に悪さなどしないかチェックをします。実際に村民の持ち物が壊されたりしておるので、村長の心配は募る一方。かわいそうにリッキーはこの2ヶ月眠れぬ夜が続いたことでしょう。

原始人とギジウスは音楽や本の趣味があって結構仲良し。村長のリッキーがギジウスと話が出来ない場合は原始人が変わりにギジウスと相談したり、メッセンジャーも勤めます。

イベント「リブラ・フェスティバル」も残すところ1週間に迫ったある日、何を思ったかギジウスは自分もステージに立つと言い出しました。

なにすんの?「朗読!」ええ、そんなことできんの? 「ちょっとしたもんさ」
ビエッラからコンゴの支援活動に参加した人の経験が本になり、それを披露して難民支援に一役買おうというもの。ビエッラにはアマチュアでもすっごく上手い役者さんはいっぱいいるのに何で自分でやりたいのか。

当日、それまで続いていた晴天が急変し、大変なことになります。
開演の3時間前から強風が吹き荒れ、続いて大粒の雨に雹まで振り出します。わたしはパピンの家庭菜園に積もった雹の大きさをみて心配しますが、、、、原始人はくすくす笑い。
「みてみろ、神様だって怒ってるよ。ギジウス、やりすぎだぞってね。」

この日も運良くお天気は開演直前に回復しますが強風は続き、不安が残ります。
それでもギジウスは過激な朗読を披露。過酷な環境の中での悲惨な難民たちの様子や作者自身の困難な状況を語るのですから強風がギジウスの原稿をさらっていきそうになるのを彼が必死で掴み、マイクにしがみついて朗読を続けるのは演出的にはばっちりでしたが、こては天が味方したのがはたまた逆か。

翌日は快晴!前の晩の嵐が嘘のようです。リッキーは午前中死人のような形相でオフィスに現れます。強風が原因で会場でけが人でもでたらと心配な一夜を過ごしたからです。実際、ギジウスたちのステージが続く中、バールエリアをリッキーや原始人は警官さんたちと一緒に一時封鎖しました。テントが飛ばされてけが人が出たら村の責任になりますから。

夕方、週末バールエリアで企画されるアペリティフに現れたギジウスを原始人がからかいますが、ギジウスは何のその。彼独特のガハガハ笑いで原始人の皮肉を吹く飛ばします。

とにかく、けが人がなくてよかったし、ギジウスもたまには自分が主役になる場があって(案外声がよくとおって雰囲気が出ていましたし)よかったです。

 

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村

わたしは、、、

Muccan.JPG
ぶじゃねんのお仕事HP

公楽さんのイタリア紀行 

公楽さん
実に明快!2010年秋、ソルデヴォロ村に滞在された公楽さんご夫妻が紀行文を寄せてくださいました。読めばソルデヴォロ時間が流れるでしょう。

ここです、、、

Video:オルガのバター作り

Video:8月の山に行く

発信!

ビエッラのショッピングガイド


より大きな地図で ビエッラ・ショッピングガイド の詳細はここをクリック

ブログ内検索

アクセス解析

忍者アナライズ

Copyright © ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活 : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]