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ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

BENVENUTI ALLA CRONACA DEL BôGIA NEN ! ピエモンテの山郷でのんびり生活しています

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ナポリ生まれの天才ギタリスト『エドアルド・カテマリオ』

2008/09年冬、ピエモンテは豪雪にみまわれ、ここソルデヴォロ村の山々にある放牧小屋はどこも4メートルの深さの雪に覆われました。

ソルデヴォロの村が毎年クラシックコンサートを開く標高1600mにある放牧小屋は残念ながら冬の間に雪崩に遭い、跡形もなく崩壊。今年は皆が楽しみにしていたコンサートが見送られてしまいました。


フォトをクリックすると演奏をお楽しみいただけます。

紆余曲折があったのですが、この放牧小屋修復のためのチャリティーコンサートをしようとナポリ出身で世界でもトップクラスのギターリスト「
エドアルド・カテマリオ」さんの演奏会が開かれました。

会場はソルデヴォロ村の教区教会。普段はバッハの作品などを中心に演奏していらっしゃいますが、村の人にも親しみのあるものをということでスペイン音楽で組んでくださったコンサートに教会に集まった人たちみんなが魅了されました。

その中には、やっとご主人に手を引かれて歩けるといった感じの年老いた婦人もいれば、バイクのマフラーを切断し、いつも轟音とどろかせて村を走り回っている若者までほんとに様々の人たちで埋め尽くされましたが、彼がギターを弾き始めると会場は静まり返ります。

最後のアンコールでは原始人のたっての頼みを聞き入れてくださり、ナポリの民謡を一曲。ナポリ出身で長年ソルデヴォロに住んでいる老人が最近、婦人を亡くされたばかりで元気がないのを原始人は慰めたかったからでした。

カテマリオさんもナポリ出身、強いナポリ独特のアクセントで、「ソルデヴォロにもナポリ出身の方がいると聞き、ナポリの思い出に浸ってもらいたくてこの曲を弾きます」と紹介して、演奏が始まりました。

どんな気持ちでその曲を聴いていたのかわかりませんが、演奏がおわるとそのナポリ生まれの老人はカテマリオさんに礼をいおうと立ち上がりますが、娘さんがシャツの裾を引っ張り留めます。

それを後ろから見ていた原始人が背中から促し、舞台に案内し二人のナポリ人は互いに抱きしめあって挨拶を交わしました。会場からは温かい拍手が。 

センチメンタルすぎますか?これがイタリアのいいところではないでしょうか?
また、世界のトップギタリストでありながら素朴な山村の人たちの前で、自分の実力に大きな自信を持ちながらも決して謙虚さや抱擁を忘れないカテマリオさんの真のアーティストとしてのあり方にも感銘を受けた夜でした。
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まだ水の話をしていませんでしたね

まだ、ソルデヴォロ村の水の話をしていませんでした。


わたし達の住むソルデヴォロ村からお隣のグラッリャ村にかけては、これまでイタリアでどんな旱魃が起こってもこれまで水のかれる事はありませんでした。

逆に水害に見舞われることはありましたが、1960年代の大洪水のようにビエッラの繊維工場がほとんど流されるほど大きな水害は、丘陵地帯であるためわずかです。

この水ですが、ヨーロッパで一番鉱度の低い水といわれています。

お隣グラッリャ村にはラウレターナという高級ミネラル水が製造販売されていますが、そんな低い鉱度のミネラルウォーターはない、と他国のミネラル水の会社からラベル表示訂正の訴訟を起こされたことがあったと聞いています。

実際にはラベルに表示されている数値よりさらに低かったそうで、今ではラベルに「ヨーロッパで一番軽い水!」と胸を張って記載しています。

昔は鉱度の低さから腎臓にいいとされ、サヴォイア家の人たちが飲料療法を目的にビエッラに長く滞在していたほどでした。

この地域の緑がイタリアの他の地域、例えばお隣のアオスタ渓谷州の緑と比べても柔らかく、優しい色なのは水のせいだろうと思います。ビエッラの自然は決して険しくはない。わたし達の周りを優しくつつむそんな緑です。

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イタリア、この頃のバン事情

イタリアで本当に美味しいパンに出会うことが少なくなってきている。
粉をこねてパンを作るパン屋がなくなってきているからだ。

大半が、一次発酵までを済ませたパン種を仕入れて二次発酵からを自分の店で行う。でも他人の配合で、他の店でも使われているパン種を焼いていったい『自分の店のパン』と呼べるのだろうか。

ビエッラで粉からこだわって焼いているパン屋は一件(粉の卸店がビエッラで粉をおろしているのはその店だけといっていた)。

他にビエッラ郊外の小さなヴェルモーニョという村にある売店ではナポレオンの時代からある村のパン焼き釜を使って今でも昔ながらのパンを焼いている。

どちらも、決してお洒落なパン屋なんかではない。床には小麦粉で汚れたのをほうきで掃いた跡が残っているような店だ。

戦前、パンを焼くのはこの辺りでも一週間に一度だった。村の人たちが粉を持ち寄り、共同の釜で一緒に焼き、まだ熱い焼き立てを自分の分だけ自宅に持ち帰っていった。

つまりそのパンを一週間食べ続けるのだから、パンは一週間経っても食べられるものでなければならない。

モンフェッラート地域に自分でパン釜を作り、粉から昔と同じパンを焼いている友人がいるが、彼のパンも確かに一週間も平気なくらい皮が厚く、決して柔らかくはないが噛みしめるごとに味わいの深まるそんなパンだ。昔のパンはまさにそんなパンだったのではないかと思う。

わたしはビエッラ市内で有機小麦のみを使って焼いている前述のパン屋でいつも直径40センチの全粒粉のパンを一個分けてもらってそれを一週間で食べきる。焼かれた日のモチモチした直感も好きだが1,2日経って少し硬くなったのを肉の煮込み料理のソースを浸すとなんともいえない。

店でパンを売ってくれるのは低血圧のばあさんで憎まれ口をたたきながらパンを売ってくれるこのばあさんがわたしは大好きだ。店の奥には彼女の息子が昔からの釜の前で無口にパンをこねる。亡くなったばあさんのご主人に叩き込まれた腕だ。

このパン屋は食の評論家マッソブリオのガイドブックで『夜中のパン屋』とあだ名がつけられた。ばあさんはほとんど眠らない。

朝7時からお昼までパンを買いに来る人の相手をし、午後も3時過ぎにはまた店を開け、夜になるとパンの仕込みに来る息子の相手をしながらとにかく店を開けている。

週末にはディスコ帰りのお腹をすかせた若者ののために切り売りのピザを多めに焼き、明け方までやっぱり店をあけている。

全粒粉のパン、バゲット、オリーブ入り、ケシのみ、胡桃の入ったバゲット方のパン、モンフェッラートで生まれたパスタドゥーラと呼ばれる香ばしさが売りのパン、そしてトマトソースにチーズとアンチョビだけのシンプルな切り売りピザ、ホットドッグ。どれをとっても素材に手抜きのない。『Feliceな(幸せな)パン』ばかりだ。

自分の一生を困難な時間帯で仕事をしながら終えるであろう人たち。映画「月の輝く夜に」に登場する独特な人物像は実は真面目にパン作りに打ち込む人たちの間には結構有り勝ちなのかもしれません。
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ピエモンテで村中総出の大芝居「パッション」

2010年、ソルデヴォロ村では5年に一度の大イベントが開かれます。
メルギブソンの映画で知られる『La Passione di Cristo 2010』つまり「キリストの受難劇」です。

人口1300人たらずの小さな村は開催期間中、一種の張り詰めた空気が漂います。

そのプロモーションのためのビデオを開催委員会がYoutubeで流すことになり、もったいないので了解をもらった上で日本語テロップを入れてみました。

イタリアの他の地域や、ドイツのオーバーアマガウでも行われているものです。
今年の10月に各配役のオーディションがあります。たぶん、みんな心の中では何の役に挑戦するかもう決めているのでしょう。

わたしは日本人であまり目立っても設定が壊れますから民衆のエキストラで時々参加します。キリストを罵倒する大変罰当たりな役ですが、それだって村の人たちは自分の信仰心を示す大切な役として一生懸命やります。特に年配者ですが、、、。そんな彼らがいじらしく感じます。

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北イタリアの夏の終わり(山幸篇)

 8月15日はビエッラの山岳部で酪農を営む人たちは小屋に人を招いてプレンタ・クンシャという食べ物を振る舞う伝統があります。

夏のアルペッジョで作られるチーズは1年を通して作られるチーズの中でも一番美味しく、それを炉にかけた銅鍋でポレンタを作った中に溶かし込む。さらにバターも。

恐ろしくカロリーの高い料理ですが、山小屋で皆で食べるという雰囲気に騙され、わたしもついつい二皿目に手が、、、。血中の脂肪分がどんどん高くなっているのがわかるくらい。 

今年もリーザおばさんが誘ってくれ、彼女の姪御夫妻とその子供たちなんと5人、リーザの娘オルガとその御主人マリオ、リーザの友人サンドラ、パオロ、ヴァンダ、そしてわたし達。

今年はなんといっても子供たちの成長振りが目に付きました。上から2番目のロベルトは買ってもらった携帯に夢中。酪農家(マルガリ)の子も、他の子とあまり変わらないかな。 でも、彼は学校で常にトップの成績だと聞き、

「勉強すきなの?」と聞くと「No!」と即答。「けど、勉強するときはすっげぇ吃驚するほどがんばる!」と付け加えます。 可愛い!

来年はロベルトのお兄ちゃんのクラウディオくんあたりはもう青年の域に入るんでしょう。次の夏も皆が健康で再び山の上でプレンタを食べられますように。

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わたしは、、、

Muccan.JPG
ぶじゃねんのお仕事HP

公楽さんのイタリア紀行 

公楽さん
実に明快!2010年秋、ソルデヴォロ村に滞在された公楽さんご夫妻が紀行文を寄せてくださいました。読めばソルデヴォロ時間が流れるでしょう。

ここです、、、

Video:オルガのバター作り

Video:8月の山に行く

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