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ピエモンテからぶじゃねんの陽だまる山郷生活

BENVENUTI ALLA CRONACA DEL BôGIA NEN ! ピエモンテの山郷でのんびり生活しています

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ソルデヴォロ村手作りの受難劇を侮るなかれ!!


昨年の5月、まだ私が村のアンテナショップの仕事をやっていた頃、原始人たちがトリノに総勢50人で乗り込みPRのためのダイジェスト版『キリストの受難劇』を行った事はお話しました。
 
2010年6月13日、日本からわざわざおいでくださった方も含む1500名あまりの観客を動員し、とうとうソルデヴォロ村の受難劇全33回のロングラン公演の幕が切って落とされました。
 
新しい舞台セットに戸惑いながら、初日に間に合わないのではないかと心配された民衆約の足の運びも上々。

イタリア経済の低迷する時期に心配された観客動員数も前回2005年を上回る入場者数を記録して9月19日に最終日を迎えました。
 
2010年の受難劇、客席から観ても見ごたえ十分!要所要所に飽きの来ない工夫も施されて楽しめたけれど、劇に参加している人たちのまとまりも前回にまして良かった!
 
あれは何故だったんだろうと振り返って考えるといろんな理由が頭に浮かんできます。
 
そんなこれからお話していこうと思います。

え?この前の『卵すり替え話』の結果はどうなったんだって?
 
そうそう、原始人がマミンの冷蔵庫に入っていたピニャティンおばさん家の美味しい卵を、お店で買ってきた有機農法卵にすり替えたんでした。
 
かわいそうなマミン、気がつかずに食べてしまいました。彼女自慢のヨーグルトトルタになって私のおなかにも入っちゃった。
 
でもね、原始人もあんまり嬉しそうな顔はしていませんでしたよ。最初は楽しい悪戯のつもりが、結果をみればマミンの視力が落ちていることを確認する羽目になったんですから。

口では色々言ってみても親思いの原始人にはちょいとこたえます。
 
卵のすり替え作戦にまんまと引っかかったマミン、それを見た原始人はしばし言葉を失っていました。
そのあと「フン!またやってやるぜ!!」と、息巻いていましたがどこまでが本気なのか、、、。
 
 ではまた 
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霧のソルデヴォロ、原始人の日曜の午後


昔々あるソルデヴォロという村に原始人が住んでいました。
原始人は、年老いた両親のキッチンで二人とお茶を飲むのが好きで、そこには父親(通称、パピン)

のゆったりしたテンポの皮肉を飛ばすのに抵抗したり母親(通称:マミン)をからったり、そうしたお喋りというお楽しみがありました。
 
そんなこんなで今日の午後も原始人はパピンとマミンのキッチンへ、、、と、あれ二人がいない。お出かけ?
がっかりの原始人、おもむろにマミンのオーブンを空けてみると、、、あれあれ、新しくトルタ(ケーキ)を焼いてあるじゃありませんか。

まんまるのトルタにかぶせたれた大型のカップにはうっすらと水滴のベールに覆われているのをみるとトルタを焼いてすぐ出かけたのでしょう。
原始人、おもむろにカップを引き上げるとナイフを入れようとするではありませんか!
「ふふん、見せしめさ!僕を一人にしておくからこういう事になるのさ。」
でも、焼きたてのトルタ一切れでは満足のいかなかった原始人、隣の部屋の棚の引き出しにはマミンのチョコレートが隠すように入っているのを実は知っていて、それをとりにいきます。
冬の寒さでこの隣の部屋は一時的な冷蔵庫の役目をしています。、、、と、チョコを手にふと新聞紙が見覚えのある大きさの包みになっているのに視線がとまります。(おお!!これは卵だぜ!)

みてみて卵を見つけた!もらっちまおうと有頂天でその包みを見せるのに当然私は大きくNO!! マミンが激怒するでしょう。
「僕が卵がないかと聞いたときにあるって言ったことがあるかい?」
これは冬のソルデヴォロの問題の一つです。卵が見つからないこと。

当然スーパーや食品店に行けばあるのですが、ソルデヴォロ周辺の小さな農家で放し飼いされている鶏の卵はほかとは比べ物にならないのです。

パピン曰くどんなホルモン剤が入っているかわからない配合飼料を食べて育った鶏の卵など口に入れたくない!!そこまで不信感を募らせられるとちょっとつき合いづらいなあ。

でも、実際BIOと銘打たれている卵で作ってもこの辺の農家の特にパピン、マミンが完全な信頼をおくピニャティン(彼女についてはいずれお話しするとして)が売ってくれる卵でつくるマミンのクレムカラメル(カスタードプリン)のようなコクやプリプリ感はでないのです。残念ながら動かしようのない事実。
そんな卵ですが冬場の寒さは排卵率が落ちますから訪ねていってもさすがのピニャティンさんも分けてもらえないことがしばしばです。当然、原始人への分け前も激減。ひたすら耐え忍ぶながーい冬が続きます。
私の断固とした拒否でしばし停止していた原始人の体躯が導火線に火が点いたようにどこかに飛んでいってしまいました。不思議に思っているとまもなく戻ってきて言うのです。
「卵がなくならなきゃいいんでしょう?僕の冷蔵庫には卵が買って入れてあったの。だから取り替えさたのさ。さあて、マミンが気がつくか、どういう反応をするかひとつ見てやろう!ふん、気がつくわけんがない!」
、、、原始人が買った卵は確かに色は茶色で同じような卵なのですが、あまりに大きさが揃いすぎているし、それになんといってもイタリアの法律で決められてる規格表示が記号で緑色でスタンプされています。

ピニャティンの卵にそんなものが点いているわけがない。さて、視力の落ちているマミンが目ざとくそれを見極めることができるのか!?

『ソルデヴォロ日記、原始人伝』この続きは次回に!

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Pilato così  こんなピラート

2週間のシチリア滞在を終えて元気にビエッラにもどってきました。

さて、キリストの受難劇の公演開幕まであと6日。今回は少々あせり気味、、、 

舞台のセットを大幅に変更したため、従来の位置での演技になれてしまっていた人も戸惑えば、セットの設置を行う人も据えつけてしまってから欠陥に気づいたり、おそらく土壇場まで稽古と設置作業の平行実施は続けられるでしょう。

原始人の幼馴染グイドも「na sma-na... (ナ ズマンナ)」 ピエモンテ語の一週間という言葉を何かにつけて口の奥深くつぶやきます。「あと一週間しかない。」そういう気持ち

さて、ソルデヴォロ村オフィシャルカメラマンとでもいいましょうかソルデヴォロ村で仕事をリタイヤして村の生活や風景にこだわって写真を撮り続けているクラウディオ・ピデッロがシチリアから戻った私にひょいとこんな写真を見せてくれました。 

原始人が先日トリノでの受難劇PRのイベントでピラトを演じた時の数枚のショットです。


 

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原始人、トリノに行く!!

4月24日土曜日。いよいよ聖劇をトリノで披露する日です。
原始人の話では、ニューフェイスらの演技の出来はあいかわらずぱっとしないそう。

それに監督以下、参加者らは舞台の設定がどうなっているかすら知らされていません。ぶっつけ本番でお芝居をしなければなりません。これが日本だったら皆で抗議のひとつもするのでしょうが、誰も何も言わずたんたんと準備を進めます。
Da Aggiornato di recente
トリノ公演について伝える新聞記事

いまどき便利なネット上の天気予報を確認すると雨、、、予報は雨です。 雨の場合は会場を別に移して屋内で行うそうで、そうなると聖骸布を見終わった人たちを観客に当て込んでいたのがふいになってしまいます。

心配の種がどんどん膨らんでいくけれど、私はアンテナショップの仕事があってついていくこともできません。まあ、ついていっても何が出来るわけでもないのですが、、、

午前十時、原始人は参加者のために用意されたバスにはのらず、幼馴染のグイド(百人隊長役)と二人で自力でトリノに向かうことにしました。その方が夜の部の公演終了後にさっさと帰宅できるからです。

この二人にとってはかれこれ二十年ぶりの遠足みたいなもの。二人は少しはしゃいでいるようでしたが無理もないでしょう。
 
トリノに到着してみると幸運なことにお天気は予想を裏切り真夏のような太陽が照り、このぶんでは予定どおり野外でのプレゼンテーションとなりそうです。
Da Aggiornato di recente
あれれ、遠足気分で出かけていった二人が、、、

アンテナショップでお客さんの相手をしている私にも随時経過報告が二人から入ります。
「トリノに到着!」 「天気は最高!!」 「舞台設置無事終了」

おお、なんか順調に準備が進んでいるではないか! 

「衣装もつけたぞ!!」「観光客に写真撮影を求められる」 「ローマ人の僕一人となら5ユーロ」 「グイドと二人で入ると10ユーロだ」

何を不埒なことを!!

「おお、近くにローマ料理のお店発見!!」 

あんたら、なんか緊張感に欠けてない?

公演は午後4時半からと夜8時半からの2回行われます。 照明効果が生まれる夜の方が当然見栄えがするのですが、人通りの多い午後のほうが人では見込めます。

4時、原始人公演前の最後の報告
「観客、300人くらい。村の人たちもみんなはりきっている。では、ここで携帯はきるから。」

約1時間半の沈黙のあと、アンテナショップにまた連絡。

「ね、魔法はちゃんときくんだよ。ニューフェイス達もがんばったよ。初めてにしちゃがんばった。見に来てくれた人たちもよろこんでくれたよ。」

あああああぁぁぁぁ、よおかったぁ! そっか、あのスニーカー履きの腰つきは本当に衣装で隠れるのね。日本人が着物を着ると気持ちがひきちまるように、彼らも聖劇の衣装を着けるとそれぞれの役により集中するんですね。

そんな連絡がソルデボロ村のアンテナショップに入るものだたら買い物に訪れたお客さんたちも興味を持ちます。今では馴染みになったお客さんたちに説明すると彼らもビエッラの人たちですから、トリノの公演の成功を喜んでくれます。

ね、これも一つのPRなるわけです。だから、ソルデヴォロのキリストの受難劇を観に来てくださいね、って
。 
、、、その1時間後
「今どこにいると思う?」

どこさ?
「グイドとね、アペリティフ飲んでんの、、、。結構感じのいいバールでねえ、気分は最高。」

、、、ふん、私はどうせショップの穴ぐらの中さ。
グイドまで「かわいそうえねぇ。あんたはまたこんどねぇ。」と私の怒りに油をさします。

彼らが少し心配していた夜の部の人手もお天気に恵まれたこの日は気温も下がらなかったせいか結局数百人が集まり、昼の部と変わらないくらいの成功をえたそうです。 

本当に良かった!! 
翌日の新聞でもソルデヴォロ村の民間演劇「キリストの受難劇」ダイジェスト版はトリノでも好評と記事になりました。

、、、あれ? この記事の写真ですが、後姿のローマ人はもしかして、でもって冑をつけた百人隊長が、、、


さて、次回の聖劇談では受難劇の舞台装置(本番用)のお話をしましょう。


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「キリストの受難劇」稽古場から

さて、原始人がソルデボロ村総出で行われる5年に一度の伝統行事「キリストの受難劇」でキリストに死罪を宣告するローマ執務官ピラトの役を演じることは前回お話しましたが、

ワンシーズン31回公演と大掛かりな行事です。PRも重要!と、いうわけで現在トリノで公開中の聖骸布(L'Ostensione della Santa Sindone)にあわせ、短いプレゼンテーションをトリノで行うことになりました。
まず、聖骸布ですが磔刑にあった後、埋葬されるキリストの体を覆ったとさる布です。

信憑性は未だ専門家の間でも論議されていますが、前回の2000年以来十年目となる今回の一般公開は4月23日から1ヶ月間だけ行われ、世界中からカトリック信者をはじめ多くの人たちが参拝におとづれています。

 そこでソルデヴォロ村の聖劇実行委員会はPRに聖骸布を公開中のドゥオモ近くのローマ時代のトリノの北門だった遺跡、パラティーナ門前で聖劇のハイライトシーンを45分間で綴るプレゼンテーションをすることになりました。


 ピラト役3名のうち、まず初日の当番にあたっている原始人。トリノにも彼が行くことになり上機嫌!!この日は原始人から少し進化してローマ人になるわけです。

 これで3回目となるピラト役、台詞も全部覚えてしまっていて原始人は稽古にもこれまであまり身が入っていなかったのが、一転してうっきうきで稽古に出かけるようになりました。

 で、ちょっと私も稽古場風景をみたくてのこのこ出かけていったのです。あと一週間しかない、そんな切羽つまったある夜のことでした。


 4月というのにさむーい稽古場、暖房一つ入っていない村の教会付属の集会場でトリノに参加する人のみの稽古がありました。
 
 キリスト役は原始人とも相性のいいジャンマルコ、聖母は原始人の同級生のアンナ、百人隊長にはこれまた原始人の幼馴染のグイド。

主な役についてる人たちは2005年にすでに一緒に何度も舞台に立っていますからなれたもの。脇役が新たにオーディションで合格したニューウェイスという構成です。

 そのニューフェイスが、、、ちょっとねえ。稽古なのに緊張しているのかその逆なのか、動きがぎこちない。台詞を行っているときの動きがいまどきのスニーカーはいてそのまんまのスポーティーな動き、

 腰つきが変な人もいる。台詞を口しながらなぜか腰を左右に振る。なんか変、、、どうもピンと来ない。物すごく大きな不安を感じました。そこで伸ばした腕!!それ3回も、4回も腕差し出して喋らないで貫禄で一回で喋りきろうよ!!

原始人「大丈夫、大丈夫、、、ああいうのはさ、衣装着るとうまく隠れちゃうの。あのスニーカー立ちもね、皮のサンダル履くとそうでなくなるんだなあ。」

「でも、あの振りは、腰つきなんか怪しいよ」

「ああ、あれもねえ、まわりの舞台ができるとどっしりしてくるんだよ」

「ほんとうにぃ?」

「ほんとほんと」

   稽古をつけるのは監督のチェレスティーノと地域でアマチュア劇団を主宰しているアンナ・ブルー二さんの二人。その二人もあまり振りや動きに指導はつけていません。

  本当にこれでいいのか? 私はどんどん心配になってきました。

 私がとても不安だというと原始人曰く、これはプロの芝居ではないのです。村中が一緒になって聖劇を行う。それが彼らにとっては参加理由の一番。それを真面目に芝居の良し悪しだけで議論してしまったら誰も参加できなくなっちゃう。

  聖劇の「魔法」を信じなさいと原始人。 

  さてさて、本番はいかがなりますことやら、、、この続きは次回に、、、

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わたしは、、、

Muccan.JPG
ぶじゃねんのお仕事HP

公楽さんのイタリア紀行 

公楽さん
実に明快!2010年秋、ソルデヴォロ村に滞在された公楽さんご夫妻が紀行文を寄せてくださいました。読めばソルデヴォロ時間が流れるでしょう。

ここです、、、

Video:オルガのバター作り

Video:8月の山に行く

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